男性更年期障害に運動って必要?

男性更年期障害(LOH症候群)は、主に男性ホルモンの一種であるテストステロンの減少によって引き起こされます。このテストステロンは、筋肉や骨の発達、男性らしい体や心の維持に重要な役割を果たすホルモンです。しかし、加齢とともに分泌量が減少し、更年期には身体的および精神的なさまざまな変化や不調が現れることがあります。こうした症状には、『運動を取り入れること』が効果的であることが多くの研究で示されています。
そこで今回は、更年期男性におすすめの運動について詳しくご紹介します。
1. テストステロンと運動の関係
テストステロンの分泌を増やす方法として、「運動をすること」が挙げられます。ただし、一概に運動といってもどのような運動が有効なのか分かりにくいですよね。ここでは、テストステロンの分泌を促す運動として有効な方法をご紹介します。
2. おすすめの運動
(1) 有酸素運動
有酸素運動はテストステロンを増やす効果が期待できる運動の一つです。有酸素運動を行うことでストレスホルモンであるコルチゾールが減少し、テストステロンの分泌が促進されます。
例えば、全速力の50%程度の軽いジョギングでは、40分程度の運動を行うことでテストステロンが増加し、コルチゾールが減少する効果があると報告されています。有酸素運動は心肺機能を高め、ストレス解消やリラックス効果もあるため、更年期の男性には特におすすめです。
(2) 筋力トレーニング
筋力トレーニング(レジスタンス運動)は、テストステロンの分泌を長期的に高める運動です。トレーニング中にはテストステロンの分泌量に大きな変化は見られないものの、筋肉量が増えることで基礎的なテストステロン値が向上します。特に、大筋群(脚、胸、背中)を鍛えるトレーニングが効果的とされています。
具体的な例としては、
- スクワット
- デッドリフト
- ベンチプレス
これらの運動は大きな負荷をかけることで、筋力の向上とともに男性ホルモンの分泌を促進します。
(3) 日常生活に取り入れやすい運動
運動習慣のない方や激しい運動が苦手な方には、日常生活に取り入れやすい運動もおすすめです。例えば、
- 歩行や速歩き(大きめの歩幅で歩く)
- 階段の上り下り
- 自転車での移動
- 簡単な体操やストレッチ
これらは特別な道具が不要で、日常生活の中で気軽に始められる運動です。
3. 運動がもたらすその他の効果
運動はテストステロンの分泌促進だけでなく、更年期に見られるさまざまな症状にも効果を発揮します。
(1) 骨密度の向上
有酸素運動や筋力トレーニングは骨密度を維持・向上させる効果があります。骨密度の低下は加齢に伴う大きな問題の一つですが、適切な運動を行うことで骨の健康を保つことができます。
(2) ストレスの軽減
運動は、爽快感や達成感をもたらし、ストレス発散やリラックス効果を得るのに役立ちます。また、睡眠の質を向上させる作用もあるため、疲労感や不眠の改善にも効果的です。
(3) メンタルヘルスの改善
運動を継続することで精神的な安定が得られるという研究結果があります。更年期の男性に特有の抑うつ症状やイライラ感の軽減にも役立つため、日常的なストレスへの対処法としても有効です。
4. 運動を継続するためのポイント
(1) 小さな目標を立てる
最初から大きな目標を立てると挫折しやすくなります。例えば、「1日10分のウォーキング」や「週に2回の筋トレ」など、実現可能な小さな目標を設定しましょう。
(2) 仲間と一緒に行う
一人で運動を続けるのが難しい場合は、家族や友人、地域のコミュニティと一緒に運動を行うのも効果的です。お互いに励まし合いながら取り組むことで、継続のモチベーションが高まります。
(3) 好きな運動を選ぶ
運動を楽しむことが継続の鍵です。ウォーキングやランニング、ダンス、ヨガなど、自分が楽しめる運動を選びましょう。
5. 厚生労働省の推奨する運動基準
厚生労働省が提唱する「健康づくりのための身体活動基準2013」では、以下の運動量が推奨されています:
- 身体活動の基準:
- 強度が3メッツ以上の身体活動を23メッツ・時/週行う。
- 例:毎日60分間の歩行またはそれに相当する活動。
- 運動量の基準:
- 強度が3メッツ以上の運動を4メッツ・時/週行う。
- 例:息が弾み汗をかく程度の運動を毎週60分間。
例えば、歩行(3メッツ)、軽い筋力トレーニング(4メッツ)、ラジオ体操第一(3メッツ)などが該当します。
6.まとめ
男性更年期障害の改善には、テストステロンの分泌を促す運動が重要です。有酸素運動や筋力トレーニングを取り入れることで、身体的な健康だけでなく、精神的な安定やストレス軽減にも効果を発揮します。また、更年期を前向きにとらえ、運動を楽しみながら継続することが、健康的な生活の維持につながります。
まずは、日常生活に取り入れやすい運動から始め、無理なく継続していくことを心がけましょう。そして、更年期を一時的な身体の変化ととらえ、将来の健康を見据えた生活を送ることが大切です。